抗インフルエンザ薬の予防投与について

当院の発熱外来待機室(隔離ブース、陰圧HEPAフィルター搭載換気システム)

●抗インフルエンザ薬の予防投与

インフルエンザの予防対策には、ワクチン接種が有効ですが、それ以外にも内服薬(抗インフルエンザ薬)などで予防することも可能です。ただし、抗インフルエンザ薬を過度に使用すると耐性ウイルスが生じることがありますので、使用に際しては必ず医師にご相談ください。

抗インフルエンザ薬が使用されるケースというのは、家族や職場などに感染者が出た際に、これ以上感染を広げないように(濃厚接触者の)発症を抑えるといったことを目的に使われるようになります。なお、この場合は治療ではなく、予防ということになるので、健康保険の適用外となります。したがって、診察を受ける際は自費診療扱いとなります。

抗インフルエンザ薬には、以下の種類があります。

それぞれにメリットとデメリットがありますので、医師と相談のうえ適切な薬剤選択が望まれます。

・タミフル®(内服薬)【オセルタミビルリン酸塩】

成人の場合は、1日1回75mgを服用します。13歳以上または13歳未満でも体重37.5kg以上の場合は成人用量となります。13歳未満のでは、タミフルドライシロップ3%を体重1Kgあたり2mgを1日1回服用していきます。1歳未満には服用できません。予防を目的とて7~10日間服用していきます。

副作用としては、腹痛、動悸、発疹、下痢、吐き気、頭痛といった症状がみられることがあります。

・イナビル®(吸入薬)【ラニナビルオクタン酸エステル】

薬を吸入するタイプです。イナビル40mg(2キット分)を一回吸入することで、10日間程度インフルエンザの発症を予防します。また5歳以上10歳未満の子どもが使用する場合は、イナビル20mg(1キット分)の一回吸入となります。

吸入による副作用に関しては、下痢、めまい、吐き気、じんましんといった症状が報告されています。

・リレンザ®(吸入薬)【ザナビビル水和物】

5歳以上が対象となります。1日1回10mg(5mgブリスターを2つ分)を10日間続けて吸入します。

副作用については、発疹、下痢、嘔吐・吐き気などが現れることがあります。

・ゾフルーザ®(内服薬)【バロキサビル】

成人と12歳以上の子どもの場合は、40mg(20㎎2錠)を1回服用します。体重が80kg以上ある方は、80mgを1回服用となります。1回の服用で10日間程度はインフルエンザの発症を予防します。

なお12歳未満の子どもが服用する場合、体重40kg以上は40mg、20kg以上40kg未満は20mg、10kg以上20kg未満は10mgをそれぞれ1回服用していきます。

副作用については、嘔吐・吐き気、下痢などの症状が報告されています。

自費診療としての処方箋発行料は以下の通りです。院外処方につき別途薬剤料がかかります。

診察料金(処方箋発行)4,000円*