開院1周年のご報告とお礼 

2022年10月4日で当院は開院1周年を迎えます。

地域の皆様に支えられながら、この一年間を地域医療に全力で向き合うことができました。

少し振り返りながら感謝の意をお伝えしたいと思います。

また、一周年のご報告と合わせて、この場を借りてお伝えしたい追悼もございます。

おかげさまで毎日多くの患者様が内科外来を受診し、内科的な診療だけでなく特定健診やがん検診、内視鏡検査、ワクチン接種など多岐に渡るご相談の窓口になることができました。

発熱外来では感染爆発による受け入れ困難なクリニックが多数出たことで麻生区の隅々から紹介を受け来院される方が多くいらっしゃいました。可能な限り受け入れた結果、周辺地域のクリニックの中では最も受け入れ件数が多かったのではないかと自負しております。私自身も1月には新型コロナウイルスに感染し、オンライン診療での対応に従事したという貴重な経験もさせて頂きました(詳細はブログをご参照ください)。地元の方々からは「発熱外来を積極的にしていただきありがとう」という言葉が多くあった一方で、遠方より発熱センターからの紹介で来られた初診の方には、私自身やスタッフへの感染対策として発熱外来に限り非接触での診療体制を構築した結果「せっかくここまで来たのに直接診療してもらえないのか」と低評価をもらってしまったこともありました。いろいろなご意見を参考に、少しずつ改良を加えていったことで第7波では目立ったクレームなく、感染対策を講じながらの診療に努めることができ、私自身やスタッフ全員感染なく発熱外来をやりきることができました。

訪問診療でも多くの患者様やそのご家族とともに「生きること」に向き合い、時に「死ぬこと」にも向き合いながら、診療に努めることができました。その一つひとつの診療すべてが私にとって医療的な側面だけでなく、人間的な成長へと導いて下さっていたと強く実感しています。

24時間、夜も携帯を耳元に置いて過ごし、いつでも駆けつける準備をすることで安心される患者様やそのご家族がいる。自分がやるべき医療を真剣に考えた結果、日々全力で突き進むことが今のやりがいに繋がっています。

家族にも感謝しています。子供も小学校中学年になりますが、父親として家にいる時間も少なく、一緒に遊んだ思い出もやや少なめです。それでも夜の緊急コールや休日の呼び出しでも「パパ、頑張ってね!」と誇らしそうに送り出してくれます。家族にも迷惑をかけていると思いますが、生まれ育った柿生という地元に対する医療への情熱を理解してもらい、いつも心の支えになってくれています。忙しいことを理由に食事を抜いてしまうことが多いのでそこが一番心配されています。

スタッフも誰一人欠けることもなく1年を迎えることができ、多くの患者様を受け入れることができるようになったのは、スタッフのチームワークのおかげだと思っています。毎朝医療や地域についての院内勉強会を欠かさず開催しており、自己研鑽を続けながらも笑顔を絶やさず日々業務に励んでくれて、スタッフ全員にも感謝しています。

そして、

にもり内科クリニックへご来院していただいた患者様すべてに心から感謝いたします。

「いつか地元でクリニックを開業し、医師として地域医療に貢献したい」という私の夢は、かかりつけ患者様なしには絶対に実現できません。

皆様のお力添えがあり、今日のにもり内科クリニックがあると実感しています。感謝の意を胸に日々診療に努めております。

次の1年も変わらず、私も健康に気を付けながら元気に診療を続けていきたいと思います。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

【追悼】~開業1年と合わせてお伝えしたかったこと~

ゆうクリニック木村孝先生がご逝去され、8月末日をもってゆうクリニックは閉院となりました。

古くから開業され、麻生区の地域医療に従事された先駆者であり、尊敬する先生でした。

まだ医学生であった私が実習生として木村先生にお会いした際に「将来は柿生で開業したい」と、たいそうな話をしたときに「たくさん勉強して、いつかうちのクリニックを継いでよ」と言っていただいたのを覚えています。そして昨年私が柿生に開業する際にはお祝いのお言葉と、クリニック連携について色々と語り合いました。

突然の訃報に唖然としましたが、それはゆうクリニックかかりつけの患者様も同じか、それ以上の思いであるに違いないと感じ、すぐにゆうクリニックへ足を運び当院への紹介状なしでの受け入れをお伝えしました。

その後当院へ来られた患者様は皆「木村先生は本当に素晴らしい先生でした」「母の代から診てもらっていました」「本当に頼り切っていたのでこれからどこへ行けばよいのか不安でした」など大変慕われていた先生だったことが改めてわかり、私が木村先生のバトンの一部を受け取ったと勝手に感じながら、これからもその背中を追いかけていきたいと思っています。

ゆうクリニックに10年以上も従事されていた受付スタッフも1名、この10月より当院で勤務していただくことになりました。

木村先生、永らく麻生区の医療を支えていただきありがとうございました。お忙しい日々を過ごされたかと思います。どうぞごゆっくりとお休みください。