当院の発熱外来(抗原定性検査)について

先日発熱外来に来られた患者様で、当院の検査方針について説明するもご理解いただけず、その後クレーム案件(口コミへの投稿、googleご参照ください(^_^;))となった事例がありました。1月よりスタッフ一同一生懸命に、感染リスクを抱えながら真剣に発熱患者様と向き合い対応してきただけに非常に残念な思いをしました。そこで、再発防止もかねてこちらで当院の発熱外来について、改めてご説明させていただきたく思います。

まず、当院の発熱外来では抗原定性検査を採用しております。患者様からのご要望がない限りPCR検査は行っておりません。事前に(当日で構いません)PCR検査希望であることをお伝えいただいた場合にはキットの準備、対応いたします。自費でのPCR検査は随時対応しています(陰性確認やお勤め先からの指示等)。

抗原定性検査キットは信頼性の高い「クイックナビ(大塚製薬)Flu+COVID19 Ag」と「エスプライン(フジレビオ)SARS-CoV-2&Flu A+B」の2種類を採用しております。どちらも十分な検査実績があり、また検体採取方法においても感度の高い鼻咽頭ぬぐい液を修練された当院看護師が採取しており、有症状(発熱、咽頭痛、咳嗽等)の場合にはPCR検査とほとんど変わらない感度で陽性判定が可能です。新年度(2022年4月)以降は主にクイックナビを採用しております(10分程度でしっかり結果が出ます!)。

当院で抗原定性検査を採用している理由やお伝えすべき検査の注意事項等についてご説明します、

①有症状の方が発熱外来を受診される前提であるため(無症状や濃厚接触者で検査希望の方は自宅での検査キット使用や自宅療養等での対応が推奨されています)、抗原定性検査でもPCR検査と比較して同等の感度が得られると考えているため当院では抗原定性検査を採用しております。

*当院での検査集計データでは無症状でも抗原定性検査陽性に出ることも複数認めております。

②PCR検査は結果判定が2日後になり、その間陽性か陰性か判定保留となってしまうため処方箋の受け渡しや公共交通機関の利用を禁止することができません。そのためこの間感染拡大の誘因となりうると考えています。一方で抗原定性検査は10分程度で判定が出るため、その後の対応も明確ですし、処方薬においては感染対策の上で薬局薬剤師が陽性患者に対する投薬対応をしてくれます。

③また、陽性登録が速やかにできるため、二類指定感染症であるコロナウイルスに対して診療の一部が公費での取り扱いとなります。医療機関での自己負担が大きく減額されますし、調剤薬局では確定診断後の処方箋受け取りとなるため全額公費での取り扱いになり基本的に自己負担額はございません。PCR検査の場合には一旦通常の保険診療の取り扱いとなり、陽性判定後に返金が生じることになります。

④公費を用いた検査の場合、抗原定性検査で陰性になったからといって、そんなはずはないとPCR検査をおかわりすることはできません。有症状の場合には前述の通り抗原定性検査とPCR検査に明確な有意差は認めないと考えていることに加え、公費は当然国民の税金から捻出された医療費ですので、そのことを念頭に置いた保険診療を私自身、心掛けております。つまり、抗原検査陰性後に「自費診療でPCR検査をしたい」という事であれば全く問題ありません。療養期間が明けるタイミングで陰性確認がしたい、という理由においても自費診療でPCR検査を行っていただくことは問題ありません。

⑤自宅や検査センターで自主的に行った抗原定性検査、あるいはPCR検査が陽性であった場合、クリニックまで結果をご持参いただければ陽性判定し、保健所への登録をいたします。ただし、陽性の方が外出する、ということになりますので、自家用車でのご来院をお願いしております。予約のうえ、来院されましたら車内よりクリニックへお電話ください。陽性判定の画像についてはメール添付でも対応しておりますが、本人確認や保険証確認、オンライン(対面併用)診療や処方箋の発行や薬の受け渡し、お会計などがありますので当院ではご来院いただいての対応とさせていただいております。

発熱外来の対応方法や保健所、県、厚労省の対応は日々変化しております。その時その時に最適な方法で、一人でも多くの方が受診でき、麻生区からコロナを減らしていけたらと切に願っています。

今後流行が収まっても発熱外来は随時受け付ける予定です。

コロナ禍に負けず、頑張っていきましょう!